○佐呂間町農業振興条例

平成13年3月16日

条例第1号

佐呂間町農業振興条例

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 農業振興に関する基本方針(第4条)

第3章 農業振興に関する施策等(第5条―第7条)

第4章 助成事業等(第8条―第10条)

第5章 佐呂間町農業振興審議会(第11条―第20条)

第6章 雑則(第21条)

附則

佐呂間町の農業は水田と畑作主体の農業から、厳しい自然や土地条件に即した寒冷地型農業確立のため、有畜農業への転換や経営の近代化、規模拡大、技術開発等、先人のたゆまぬ努力の積み重ねにより、地域を支える重要な基幹産業として今日の発展を遂げてきた。

しかし、近年の農業を取り巻く情勢は、急速な国際化による輸入農産物の増加、生産過剰による価格低迷、産地間競争の激化とともに、大雨や低温、干魃等による農業災害の連続発生、土地改良や土づくりの遅れによる生産力の低下等、経営環境は益々深刻化しており、本町農業の将来方向を見据えた抜本的な対策が必要となっている。

農業は、従来の生産性向上に重点をおいた施策から、環境型社会や安全な食糧の供給等、社会や消費者のニーズが多様化しており、農業を農業者のみならず広く国民の理解と合意に基づく重要な産業として、将来にわたり引き継いでいくため、国の「食料・農業・農村基本法」、北海道においては「北海道農業・農村振興条例」等、新たな視点に立った農業基本施策が示されている。

このため、本町農業の諸問題の解決に地域全体で取り組み、農業を担う者が、夢と誇りを持ち、持続的に経営を維持できる農業を実現するため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、農業の果たす役割と重要性に鑑み、佐呂間町農業の将来方向の位置付けを明確にし、農業振興に関する施策の総合的、計画的な推進を図り、農業者の経営安定と生活の向上、豊かで活力ある農業・農村の構築に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 農業者 自ら農業を営む個人をいう。

(2) 生産組織 農業者の共同生産活動組織、機械、施設等の共同利用組織及び農地法(昭和27年法律第229号)第2条第3項の農地所有適格法人をいう。

(3) 農業団体 農業協同組合、農業共済組合、農業協同組合の各部会その他これに準ずる団体をいう。

(4) 農業関連企業 町内に事業所等を有する地場農畜産物の生産、加工、販売等に関連する企業等をいう。

(町の責務)

第3条 町は、次条に定める基本方針の具現化のため、農業者及び農業に関係する団体・機関と十分な連携を図り、本町農業の振興に関する総合的な施策を策定し、これを実施する責務を有する。

2 町は、農業者、生産組織、農業団体及び農業関連企業(以下「農業者等」という。)が自主・自立を基本とし、意欲的に取り組む農業振興に関する事業に対し、必要な指導と支援に努めるものとする。

3 町長は、農業振興に関する主要な計画等を策定するに当たっては、広く町民の意見を反映する措置を講ずるとともに、あらかじめ佐呂間町農業振興審議会の意見を聴くこととし、策定後、遅滞なくこれを公表しなければならない。

第2章 農業振興に関する基本方針

(基本方針)

第4条 町は、佐呂間町農業の目指すべき方向を次の各号のとおり位置付けし、地域の総意のもと、農業・農村づくりの推進に努めるものとする。

(1) 酪農、畜産、畑作、野菜等、収益性の高い多様な農業経営を促進すること。

(2) 農地の改良整備と土づくりを進め、生産性の高い農業の確立を図ること。

(3) 農地の流動化や大規模経営、法人化等の促進を図ること。

(4) 担い手の育成・確保と農業者の自立意識の高揚により経営能力の向上を図ること。

(5) 消費者のニーズや環境型社会に対応した農業生産・農村環境づくりを促進すること。

(6) 農村女性や高齢者の能力が十分発揮される農村社会の構築を図ること。

(7) 安全で快適な暮らしやすい農村づくりを促進すること。

第3章 農業振興に関する施策等

(基本施策)

第5条 町は、前条に定める基本方針に基づく、農業振興に関する必要な措置として、次の施策を積極的に推進するものとする。

(1) 農地の有効利用に関する施策

(2) 生産基盤の整備に関する施策

(3) 農業経営の確立に関する施策

(4) 担い手対策に関する施策

(5) 農畜産物の研究開発に関する施策

(6) 農村環境の整備に関する施策

(7) その他農業振興に必要な施策

(施策の推進体制)

第6条 町は、前条に定める基本施策の実施について、農業者等及び関係機関との適切な役割分担により、効果的な推進に努めるものとする。

(農業災害の支援)

第7条 町は、災害によって発生した農業及び農業施設の被害について、農業の再生産と経営の安定化を図るため、適切な復旧と支援に努めるものとする。

第4章 助成事業等

(補助金、負担金等の交付)

第8条 町長は、農業者等が実施する事業のうち、町の農業振興上必要と認められる事業については、予算の範囲内で補助金及び負担金等を交付することができる。

2 前項の対象事業、補助基準等については、町長が別に定める。

(資金の利子補給)

第9条 町長は、農業者等が農業振興上必要な事業を実施する場合並びに災害等やむをえない事由により発生した負債を整理し経営の安定を図るため必要な資金について、予算の範囲内で利子の補給を行うことができる。

2 前項の対象資金、利子補給基準等については、町長が別に定める。

(資金の貸付)

第10条 町長は、農業振興上必要と認められる事業については、予算の範囲内で資金を貸付けすることができる。

2 貸付対象事業、貸付条件及び償還方法等については、町長が別に定める。

第5章 佐呂間町農業振興審議会

(設置)

第11条 佐呂間町における農業の振興を図るため、町長の附属機関として、佐呂間町農業振興審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(所掌事項)

第12条 審議会は、この条例の規定により、その権限に属された事項を処理するほか、町長の諮問に応じ、農業の振興に関する重要事項を調査審議する。

2 審議会は、前項の規定する事項に関し、町長に意見を具申することができる。

(組織)

第13条 審議会は、委員15名以内を以て組織する。

(委員)

第14条 委員は、次の各号に掲げる者の内から、町長が任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) 農業者及び農業に関係する団体・機関の役職員

(3) 一般消費者及び町長が認める者

2 委員は、非常勤とする。

(委員の任期)

第15条 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。

2 委員は再任されることができる。

(会長及び副会長)

第16条 審議会に会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は、委員が互選する。

3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故ある時は、その職務を代理する。

(会議)

第17条 審議会は会長が招集する。

2 審議会は、委員の2分の1以上の出席を以て開催することができる。

3 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数の時は、会長の決するところによる。

(部会)

第18条 審議会には必要に応じ、部会を置くことができる。

(報酬及び費用弁償)

第19条 審議会の委員には、別に定めるところにより報酬及び費用弁償を支給する。

(庶務)

第20条 審議会の庶務は、農務課で行う。

第6章 雑則

(委任)

第21条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は町長が別に定める。

1 この条例は、平成13年4月1日から施行する。

2 佐呂間町畜産振興対策助成条例(昭和58年条例第30号)は、廃止する。

(平成28年12月15日条例第23号)

この条例は、公布の日から施行する。

佐呂間町農業振興条例

平成13年3月16日 条例第1号

(平成28年12月15日施行)