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町政執行方針(令和2年3月)

はじめに

1.はじめに

令和2年第1回町議会定例会の開会にあたり、町政執行の所信と新年度における各会計予算の概要を申し上げ、議員各位並びに町民各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

私が町民の皆様から町長として職務を委ねられた期間は本年9月11日までであり、ここに令和2年度における予算の全般について提案させていただくことは、適切ではないと思われますが、予算の85%を占める経常経費については年度当初から一年分を計上しなければならないこと、さらに本年度計画されております事業は中期財政推計でも示したように、その殆どが継続事業であることから、本定例会に令和2年度全般にわたる予算案を提出させていただくことをご理解願います。

さて、この4年間を振り返りますと、平成28年北海道豪雨災害や平成30年北海道胆振東部地震など50年、100年に一度という大規模な自然災害が頻発しており、被災された方々に一日も早い復興をお祈り申し上げます。本町においては、北海道胆振東部地震に伴い町内全域が2日間、ブラックアウトとなり、非常食や飲料水の提供を行いました。また、酪農や水産加工業、商店などの営業活動で業務の一部停止や家庭生活に多くの不便が発生しました。本町では平成18年佐呂間竜巻災害以降は、人命にかかわる大きな自然災害の発生がない地域でありますが、あらゆる災害を想定し、防災ハザードマップを発行するとともに災害対策用品を備蓄しております。

次に、国内経済においては第2次安倍内閣が掲げた経済対策アベノミクスの取組によって名目GDPは過去最高水準に達しておりますが、地方においては未だ実感できる状況になく、また新型肺炎の拡大による世界経済への影響も懸念され、本町においては極めて厳しい自治体運営と財政状況にあっても、私は町民の皆さんが安全安心に住み生活することができ「これからもずっと住み続けたいと思うまちづくり」を実現するため、第4期佐呂間町総合計画の後期計画と佐呂間町地域創生総合戦略が求める、町政を進めてまいりました。

私が町長に就任いたしました平成20年9月末の人口は6,256人、世帯数は2,646戸でありましたが、本年1月末の人口は5,102人、世帯数は2,492戸で、高齢者比率は31%から39%となり、当時の社会的要因に基づく過疎化と少子高齢化に加え、日本全体が自然増減に伴う人口減少時代へと変化してまいりました。

私は、この12年間、主な事業として、農業では道営整備事業や産地パワーアップ事業、多面的機能事業を活用した基盤整備、畜産農家へのTMR事業、また、漁業関係では漁港修築事業や産地水産業強化支援事業による排水処理施設の整備、商工業関係ではプレミアム付商品券やトーヨータイヤ購入費助成、商工業活性化事業補助金など積極的に取り組んでまいりました。

教育・福祉面では再編後の小中学校に対して、特別支援員の配置や町採用教員を配置した少人数学級を実現し、また、平成22年10月から町内を一円するスクールバスに無料で乗車を可能としたふれあいバスの運行、平成25年には放課後の障がい児対策として日常生活の基本的動作の指導や知識技能を訓練する通所支援施設を開設、また、本町の医療環境を大きく変革し、将来的な生活に安心を与える町立診療所クリニックさろまを平成26年4月に開設しました。さらに、平成29年、30年には一人暮らし高齢者に対し安全安心を確保する高齢者福祉住宅安心ハウス2棟12戸を新築するなど、子ども・子育て支援対策や高齢者福祉に力を注いでまいりました。

いずれの事業にいたしましても、議会はもとより地域住民の皆さんのご支援とご協力を得ながら実施してきましたことに対して心から感謝を申し上げるところであります。

町政執行の基本方針

政府が閣議決定した令和2年度予算の一般会計は、財政健全化への着実な取り組みを進める一方、賃上げの流れと消費拡大の好循環、外需の取り込み、設備投資の拡大を含めた需要拡大に向けた取り組みや、人材・技術などへの投資やイノベーションの促進、次世代型行政サービス等の抜本強化といった生産性の向上に向けた取り組みなど、重要な政策課題への対応に必要な予算措置を講ずるとし、一般会計歳入歳出予算は、102兆6,580億円と8年連続で過去最高を記録し、昨年に引き続き100兆円を超える予算となりました。

本町の予算編成については、町民税のうち個人町民税は、農林水産業の全てにおいて好調であった昨年度をさらに上回る生産高を達成したことで増額となります。法人町民税は、昨年10月からの税率引き下げに伴い減額となり、町民税総額は4.8%増の予算となります。固定資産税については、新築増築家屋の増加から家屋の課税標準額は増額となりますが、土地、償却資産の減少があり、固定資産税総額は0.1%減の予算となり、軽自動車税、たばこ税を含めた町税総額は前年度より2.4%増の予算となります。

次に、歳入の根幹をなす地方交付税は、国の地方財政計画において地方一般財源総額が確保されるとの見通しから、本町の交付税予算は対前年度5%増と昨年に引き続き増額予算となりますが、基金取崩しによる繰り入れでまかなう歳入予算となりました。

歳出予算については、全国各地でこれまで例を見ない大規模な自然災害が地域を選ばず多発する昨今であり、防災・減災の重要性が高まっております。本町においても、本年度内に各家庭に個別受信機を設置する防災行政無線整備事業を完了することで、日々の行政情報や今後の自然災害等の発生に備え、住民に迅速かつ的確に緊急情報を伝達してまいります。また、福祉施設等へのエアコン設置工事や教育施設等の改修工事を実施し、保育や教育環境、特別養護老人ホーム愛の園での生活環境の改善を行います。

町民生活の安定に資するインフラ整備として、遠軽地区広域組合ごみ焼却施設長期包括的運営委託事業、公営住宅や生活道路、水道事業の改良など、生活環境整備に予算を配分し、町民、行政、関係機関との協働により人にやさしいまちづくりに取組んでまいります。

主要施策

1)〔心豊かで快適なくらしを支えるまちをめざして〕

○町民参加のまちづくり

これからの行政運営は、地方分権の推進により地域の自由度と裁量度が増すなか、地域が自らの発想と創意工夫により主体的に行動し、その選択と行動に責任を負い、町民と行政との「自助・共助・協働」によるまちづくりを推進するため、町政懇談会をはじめ各種団体との協議の場やホ-ムペ-ジにおいて、町政に関する情報提供や広報・広聴活動を積極的に行ってまいります。

○広域交流

パーマ市との交流については、昭和55年10月28日に姉妹都市を提携して以来、本年で40周年を迎えます。7月にパーマ市から訪問団を招き、交流委員会を中心に多くの町民の皆さんにも参加を頂きながら40周年記念事業を開催し、長きにわたる交流の節目を祝うとともに両市町の絆をより一層深めてまいります。

また、佐呂間中学校や佐呂間高校の姉妹校交流を中心とした交流・派遣事業を推進し、今後も国際交流の発展に寄与してまいります。

国内においては、東京サロマ会をはじめとする各地域のふるさと会との交流連携を深めるとともに、江東区とオホーツク管内町村連携交流事業の取り組みに積極的に参加してまいります。

佐呂間町サポーターズ倶楽部事業では、さらなる会員数の増加を目指してPRの強化を図り、町の魅力を全国に情報発信するとともに、人を呼び込むための事業を積極的に展開してまいります。

○情報網の充実

本町の光回線によるブロードバンド環境については、現在、NTT佐呂間交換局内の佐呂間市街地と富武士、若里地区の一部の地域以外は未整備となっていることから、全町的な情報通信網の格差是正に向けて通信事業者に対し、施設整備の要望を行ってまいります。

また、スマートフォンなどの普及とともに著しく進展する情報通信環境の状況を的確に把握し、町としての対応に努めてまいります。

テレビ難視聴地域解消対策として、デジタルテレビ中継局の維持管理や有線組合への支援など、今後においても安定したテレビ電波受信環境の確保に努めてまいります。

○行財政改革

住民ニーズが多様化・複雑化するなかで、効果的・効率的な行政運営を進めるため、行財政改革の推進に向け、義務的経費の抑制、給与の適正化、民間委託などを継続して取り組むとともに中期財政推計に基づき将来につなぐ持続可能な財政運営に努めてまいります。

加えて、本年4月1日からの地方自治法と地方公務員法の一部改正により会計年度任用職員制度が導入され、組織として最適と考える任用、勤務形態の人員構成の見直しを実現したうえで、第4次佐呂間町職員定員管理計画を策定し、職員定数の適正な管理に努めてまいります。

また、職員の能力を最大限に引き出し職員の意識改革を図るため、明確な基準に基づき、能力・業績を正しく反映させる人事管理制度と職員としての倫理感や使命感のかん養のため、職員研修等を通じた定期的・継続的な意識啓発に取り組んでまいります。

ふるさと納税については、制度の本質を充分に踏まえ、商工及び観光物産との連携を図りながら引き続き地域の活性化に結びつく取り組みとして進めてまいります。

令和3年度を初年度とする第5期佐呂間町総合計画については、現在26名の審議委員により鋭意審議が進められております。本年度、審議会からの答申に基づき、町が置かれている現状と課題を認識したうえで、将来予測に裏付けしたまちづくり指標を示すための新たな総合計画を策定してまいります。

○生活環境

公営住宅等長寿命化計画に基づき、本年度は町営住宅浜佐呂間第3団地の外壁改修に着手するなど、計画的な維持管理・修繕に努め、住宅需要に即した対応を図ってまいります。

簡易水道については、道営畑地帯総合整備事業若佐地区との合併施工により、平成26年度から進めている佐呂間上地区の若佐・栄の簡易水道施設と若佐営農用水や大共・共立第4の各営農用水施設との統合を図るため、若佐簡易水道区域拡張事業を継続実施してまいります。

また、計量法により使用期間満了となる量水器の交換や各施設の経年劣化による設備の更新を行い、安全で安心な水の供給を目指し、事業の推進に努めてまいります。

下水道については、施設の延命を図るため策定いたしました長寿命化計画に基づき、効果的な施設の更新と維持管理に努めるとともに、区域外の合併処理浄化槽設置補助につきましても、継続してまいります。

し尿処理については、下水道の普及により処理量は年々減少しており、遠軽地区広域組合衛生センターにおいて適切な処理に努めてまいります。

ごみ処理・リサイクルについては、町民のご協力をいただき分別収集、有料収集、リサイクル収集を行い、ごみの発生・排出抑制に取り組んでまいります。

また、遠軽地区広域組合事業では、老朽化が進むリサイクルセンターの更新事業について、旧遠軽町清掃センターの跡地利用による交付金を活用し整備しており、令和3年度からの建設に向け準備を進めてまいります。

さらに、最終処分場については、遠軽地区3町それぞれの処分場の残余量が減少していることから、広域処分場整備事業に着手するとともに遠軽地区ごみ処理広域化基本計画に基づき、安全で確実なごみ処理体制の推進に努めてまいります。

公園については、基幹的な公園として総合公園、小公園及び交通公園、各地域に児童公園を整備しておりますが、開設時からの遊具が多いことから、安全確認のため各公園遊具の規準・劣化点検を実施するとともに、計画的な更新を進めてまいります。

○安全な生活

交通事故抑止については、関係機関・団体との緊密な連携により、

町民一丸となって交通安全活動に取り組み、令和元年においては死亡交通事故の発生を防ぐことができました。今後も町民一人ひとりの心に訴える啓発活動の取り組みを関係機関の協力を得ながら進めてまいります。

犯罪情勢については、犯罪認知件数は減少しておりますが、特に高齢者を狙った「オレオレ詐欺」や「架空請求詐欺」などの特殊詐欺手口はさらに巧妙化・凶悪化しており、私達の社会生活を脅かしております。安全安心まちづくり条例や暴力団排除条例を踏まえ、警察や防犯協会などと連携を図り、町民一丸となって地域安全活動を推進し、犯罪のない安全で安心して暮らせるまちづくりに努めてまいります。

救急消防体制については、多種多様化する救急及び災害に的確に対応し、町民の身体・生命及び財産を守っていかなければならないと考えており、遠軽地区広域組合と連携し町民が安心して暮らせるまちづくりに努めてまいります。

防災体制については、全国各地で豪雨災害などが頻繁に発生するなか、災害に対する的確な対応が求められており、今後とも、各自治会との連携強化を図り、住民の防災意識の高揚に努めるとともに、防災資機材の整備はもとより、メール配信サービス「防災・安心メールさろま」の一層の普及・啓発を図ってまいります。

さらに、昨年度から2ヵ年事業として着手している防災行政無線整備事業については、全世帯への個別受信機設置及び津波対策として屋外拡声局を3箇所に設置し、防災情報の確実な伝達と情報伝達手段の多重化に向けた取り組みを進めてまいります。

○交通網の整備

本年度の主な事業については、3本の道路改良舗装工事を予定しております。

また、義務化されている橋梁点検については計画的な調査・補修を行うとともに、町民が安全で安心できる道路交通網の整備と維持管理に努めてまいります。

ふれあいバスについては、町内路線及び町外路線とも住民の足として定着しており、状況に応じた路線の見直しを行うとともに、人口減少に伴い利用者も減少傾向にありますが、安全運行を最優先に安心・信頼して利用できるふれあいバス、心地よく快適に利用できるふれあいバスの運行に心がけてまいります。

 

2)〔豊かな自然と人が共存する産業をめざして〕

○農業

基幹産業である農業については、地域経済・社会の発展に重要な役割を果たしておりますが、担い手不足による農家戸数の減少や高齢化、労働力不足の深刻化、生産資材の高止まり、新たな国際環境への対応、温暖化や異常気象など厳しい状況が続いております。

こうしたなか、農業の持続的な発展を図るため、農業振興条例の趣旨と基本方針を踏まえ、各種政策を積極的に推進してまいります。

国が掲げる地域の活力創造プランに基づき、農業・農村環境の保全維持に資する活動に対し、多面的機能支払交付金事業の支援を行ってまいります。

また、酪農・畜産では、収益性の向上、労働負担軽減・省力化に向けた取り組みとして、畜産クラスター事業及び畜産経営体生産性向上対策事業などを活用し、地域農業の振興を図ってまいります。

農地の流動化対策としては、農業委員会をはじめ関係機関と連携し、農地の有効利用と遊休化を防ぐため農地中間管理機構を通じ、担い手農家への集積を図ってまいります。

土づくり対策では、土壌診断など土づくりの基本となる取り組みに対して引き続き助成するとともに、堆肥の有効活用の指導に努めてまいります。

農業担い手確保対策については、農業体験や農業実習生受入れなど新規就農につなげる活動を支援し農業者の減少対策に努めてまいります。

町有牧場については、利用組合の協力をいただき、入牧頭数の確保と足腰の強い丈夫な牛の育成に努めてまいります。

道営土地改良事業については、道営畑地帯総合整備事業若佐地区として、管路工事及び調査設計委託、区画整理を実施し、サロマ東部地区においては区画整理、暗渠排水、客土の面工事による農地の生産性向上に努めてまいります。

○林業

林業については、森林組合と連携し民有林の森林経営計画の作成促進や人工造林、保育に引き続き支援を行うとともに、町有林についても適正管理に努めてまいります。

また「伐って使って、また植える」を基本に森林資源の循環利用に取り組み、森林環境譲与税を活用しながら、災害防止や地球温暖化防止など森林の持つ公益的機能の保持に努めてまいります。

エゾシカ対策については、ここ数年捕獲頭数は減少しておりますが、生息数は減少しているとは限らず、佐呂間町鳥獣被害防止計画に基づいた被害防止活動を行うとともに、猟友会佐呂間・若佐両部会の組織強化についても引き続き支援してまいります。

○水産業

漁業については、昨年度より外海ホタテの水揚量が回復しており、本年度についても同程度の水揚げ計画となることが予想されます。これからも安定した水産資源供給と漁業の健全な発展に資するため、漁場・漁港の基盤整備の促進、増養殖技術向上に支援を行ってまいります。

本年度は、防氷提維持管理に対し引き続き支援を行うとともに、浜佐呂間漁港の水産物供給基盤機能保全事業及び漁村再生交付金事業に加え、若里漁港の漁港機能増進事業に対して地元負担をしてまいります。

また、その他の漁港についても引き続き北海道に対し要請を行い計画的な漁港整備を進めてまいります。

サロマ湖漁港漂砂対策技術検討委員会で示された第1湖口の航路浚渫、第2湖口のサンドポケット造成、航路拡張、モニタリング及び防砂提延伸・嵩上げの効果測定を引き続き実施し、恒久的対策を検討してまいります。

○商工業

国の経済月例報告では、景気は緩やかに回復しているとされているものの、消費税率改定に伴う企業支出の停滞や新型肺炎などによる国際経済情勢の変動により国内経済環境が変化するなか、地方経済においても経営環境は大きく振り回される不透明な現状であります。

こうしたなか、商工業においては、プレミアム付全町共通商品券発行事業、住宅建設促進事業、商工業活性化事業及びトーヨータイヤ販売促進事業の実施により町内消費活動は一定の効果を挙げており、本年度もこれら制度の継続実施により、町内消費活動の活発化に努めるとともに、制度資金を活用した金融支援を継続し、商工会との連携を密にして商工業の安定的発展を図ってまいります。

○観光・物産

観光については、主要観光施設であります物産館みのり照明設備のLED化を実施し、施設の維持管理を進め、さらには町内観光資源を保護、管理し観光客の増加に努めてまいります。

交流基本協定を締結している東京都港区や、経済交流協定を締結している宮崎県都農町との物産交流を推進するとともに、町観光物産協会と連携し各種イベントへの出展によるPR活動を強化してまいります。

広域観光対策については、サロマ湖を有する1市2町で組織するサロマ湖観光物産振興協議会においてサロマ湖のPR活動を行い、さらには遠軽地区3町との広域連携により、積極的な広域観光PRを行い交流人口の増加に努めてまいります。

○雇用環境

少子高齢化が進行し労働力人口が不足しているなか、いきいきと安心して働くための雇用環境整備について商工会や関係機関と連携し、就業者の確保に努めてまいります。特に運輸、建設などにおける人材確保のため、本年度より大型自動車をはじめとする運転免許取得に対する補助事業の実施、さらには建設関係技術者養成のための修学資金貸付制度を実施してまいります。

また、遠軽地区3町で組織する通年雇用促進協議会において、冬期間の失業者の通年雇用に向けた支援事業を広域的に行ってまいります。

○消費者行政

地方消費者行政活性化基金を活用し、消費者被害防止のための注意喚起と情報提供に努めるとともに、消費者相談の多様化に対応した担当職員の対応能力向上のため、専門研修へ参加し適切な相談支援を行ってまいります。

また、高齢者や若者を狙った詐欺や悪質商法による被害を未然に防止するため、各種機会を活用し啓発・教育活動に努めてまいります

 

3)〔ふれあいとやすらぎのある社会をめざして〕

○地域福祉

全ての町民が絆を深め、安全で安心して暮らせるまちづくりを目指し、自治会、社会福祉協議会及び民生児童委員などと連携するとともに、ボランティア組織の協力を得ながら、未来へつながる支え合いの地域づくりを推進してまいります。

災害時などに自力で避難、移動が困難な要援護者の支援については、的確な新規登録や登録情報の更新を行い、関係機関が連携を深めて、地域住民が安心して生活できる体制を整備してまいります。

国民健康保険事業については、北海道が中心的な役割を担い安定的な財政運営が図られておりますが、国民健康保険税については全道での平準化・公平性が求められていることから、限度額や軽減判定所得については国の改定に準ずるとともに、税率については北海道が示した標準税率へ近づけるため、急激な負担増とならないよう国民健康保険運営協議会に諮問し検討してまいります。

医療費の低減については、第3期特定健康診査等実施計画や佐呂間町データヘルス計画に基づき進めるとともに、本年度より北海道国民健康保険団体連合会が主体となって実施する特定健診受診率向上支援共同事業に取り組んでまいります。

介護保険事業については、第7期介護保険事業計画に基づき関係機関と連携し、利用者ニーズに即したサービスの提供や、介護予防・日常生活支援総合事業などの地域支援事業を実施し、介護が必要となっても住みなれた地域で暮らし続けることができるよう支援するとともに、第8期介護保険事業計画を策定いたします。

○高齢者福祉

本年1月末の65歳以上の高齢化率は38.6%、75歳以上では21.2%となり、90歳を超えても在宅で自立した生活を続ける高齢世帯も見受けられる、超高齢社会を迎えています。

高齢者の方々が、住み慣れた地域で安心して生活を続けることができるよう外出支援サービス車両を1台増車して、人工透析患者や寝たきりの在宅高齢者が円滑に通院できる体制を強化するとともに、あんしんQR事業、町内外の事業所との高齢者見守り連携協定による安否確認や異常時の早期発見に向けた体制を強化してまいります。

また、高齢者の生きがいづくりとして、老人クラブ活動や一人暮らしの集いなどの地域活動に対する支援を行うとともに、サンガーデンさろまデイサービス事業に対する支援を行うことにより、事業の継続した運営による高齢者介護福祉の安定確保を図ってまいります。

さらに、サンガーデンさろまの入居者が健康で快適に生活できるよう、温水ボイラーの更新事業に支援してまいります。

特別養護老人ホームについては、利用者が生活を営む上で自立ができることを目標として、安心して快適な毎日を過ごしていただけるよう、個々の人格を尊重し、質の高いサービスの提供に努め、常に利用者と家族の立場に立った家庭的な支援を行い、信頼される施設づくりを目指すとともに、クリニックさろまとの密接な連携のもと、入所者の健康管理に努めてまいります。

○障がい者福祉

障害者総合支援法に基づき、障がい者が希望する障害福祉サービスの提供を基本理念として、地域において自立した生活が営めるよう、障がい者相談支援事業者として委託している町内外の事業所や地域活動支援センターとの連携により、地域支援事業を推進してまいります。

また、放課後等デイサービス事業所「さろま子どもスペースめるくる」や遠軽町母子通園センターなどと連携し、障がい児が身近な地域で支援が受けられるよう、支援体制の充実と安定を図ってまいります。

○児童福祉

少子化や核家族化の進行に加え、働き方の多様化により子どもや子育て世代の環境が変化しています。このため、子どもの健やかな成長のために適切な環境が等しく確保されるよう、第2期子ども・子育て支援事業計画に基づいた支援事業を総合的に推進してまいります。

地域における子育て支援の一翼を担う保育所では、核家族化や女性の社会進出に伴う共働き世帯が増加するなか、安心して子育てができる保育環境整備や一時保育・特別支援対策の充実に努めるとともに、3歳未満児世帯への保育料軽減支援として多子世帯に対する保育料の減免や子育て支援保育料補助金の支出、遠距離通所世帯に対する通所経費の一部助成について継続して取り組んでまいります。

昨年度まで運行の、若里・富武士地区からの通所バスにつきましては、本年度から父母や地域の方々との協議の結果、ふれあいバスに乗車し通所していただきます。

また、安心して子どもを生み育てるための支援として、子育て支援センターでは、「子どもを遊ばせる・体験させる機会の提供」「親の不安や悩み相談の窓口」「親同士のコミュニケーションの場の提供」など、保健福祉課・社会教育課と連携し、事業の充実に努めてまいります。

児童に健全な遊び場を与え、健康の増進と情操を豊にすることを目的とした児童館は、近年の猛暑対策として安全で快適な施設利用に向けプレイルームに2基のエアコンを設置いたします。

また、児童館で実施している放課後児童クラブでは、保護者が余裕をもってお迎えできるように、一年を通じ午後6時までの開設時間とします。

○保健医療

令和4年度までを計画期間とした第2次健康づくり行動計画に基づき、サロマゲンキマイレージ事業やサロマ健康づくり応援プログラムなどにより町民の健康意識の向上を図るとともに、各種がん検診、肺・内臓脂肪CT検診などの受診勧奨や継続した保健指導により町民の健康増進対策を推進してまいります。

クリニックさろまの運営については、「佐呂間町民の健康寿命の延伸を目的とした予防医療の実践、地域包括ケアシステムの医療機関の役割を担う」という、指定管理者である医療法人恵尚会の理念に基づき、町民が望む一次医療の提供や町民健診による予防医療の実施、更に、町内の保健、介護職との連携による健康づくり・介護予防事業への取り組みなど、地域医療体制の充実に努めてまいります。

 

4)〔こころを育む魅力ある教育をめざして〕

○教育行政

教育長から「教育行政推進方針」で詳しく説明がありますので、ここでは私の基本的な考え方を申し上げます。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、教育委員会と総合教育会議を設置しており、今後も協議と対話を進め、これまで以上に教育委員会との連携強化に努めてまいります。

学校教育については、貴重な財産である子ども達が、確かな学力とたくましい身体、豊かな心を備えた大人へと成長できるよう、ソフト・ハード両面にわたる学校教育環境の整備に努めるとともに、子育て支援策の一環として引き続き児童生徒の給食費の一部を町費で負担し、保護者の負担軽減を図ってまいります。

佐呂間高校には従来どおりの支援を継続し、保護者の負担軽減と存続対策に取り組んでまいります。

社会教育においては、第7次社会教育中期計画に基づき、年齢領域に応じた事業の実施、高度化・多様化する学習ニーズに応じた支援や的確な情報提供に努めるとともに第8次社会教育中期計画の策定を進めてまいります。

また、社会教育施設については、更なる利便性の向上に努めてまいります。

国及び道が主体となる事業

本年度、国及び北海道が実施する事業と町予算に計上した事業の概要を説明いたします。

◎網走開発建設部が実施する事業

(1)第4種サロマ湖漁港整備事業の実施

・第1湖口及び第2湖口の漂砂対策モニタリング調査・整備

-北見道路事務所-

(1)国道333号大成視距改良事業の実施

・大成地区(通信設備)

 

◎オホーツク総合振興局が実施する事業

【網走建設管理部】

(1)留辺蘂浜佐呂間線の防災安全対策

・仁倉地区(冠水対策:載荷盛土工・函渠工)

(2)佐呂間別川の河川改修工事

・富丘地区(掘削工・築堤工・護岸工・樋門工・排水工)

・藤見地区(護岸工・取付道路・旧橋解体)

・上流地区(掘削工・築堤工・護岸工)

(3)小野の沢川の河川改修工事

・仁倉地区(掘削工・護岸工・用地測量)

(4)仁倉川の河川改修工事

・仁倉地区(掘削工・護岸工)

・室井橋(下部工・上部工・旧橋解体)

(5)浜佐呂間漁港水産物供給基盤機能保全事業

・係留施設及び外郭施設機能保全工事

(6)浜佐呂間漁港漁村再生交付金事業

・係留施設改良工事

(7)若里漁港 漁港機能増進事業

・用地整備工事

【産業振興部】

(1)道営畑地帯総合整備事業 若佐地区

・区画整理事業、営農用水管路工事及び調査設計委託

(2)道営畑地帯総合整備事業 サロマ東部地区

・区画整理事業、暗渠排水及び客土事業

むすびに

全国的な自然災害は、想定外といった過去の経験を大きく上回り、季節や場所を選ばず頻発し、各地に甚大な被害を及ぼしており、本町においてもこれらに対処する減災対策や確実な情報提供を可能とする防災事業を行います。

本年は開基126年目になりますが、先人の偉大な開拓精神を忘れることなく、全ての町民が安心して暮らせるよう、町民の皆様方や関係機関の協力をいただきながら、職員と一丸となって最善の努力を傾注し、明るく活力ある行政運営に全力で取り組んでいく所存でございます。

以上、令和2年度の町政執行の基本的な考えと、政策の概要を申し上げました。

議会の皆様をはじめ、町民各位のより一層のご理解とご支援を賜りますようお願いを申し上げます。

お問い合わせ先

総務課総務係
電話:01587-2-1211